鏡開きとは、お正月に飾っていた正月飾りの鏡餅を開いて(割って)食べる正月行事の一つですが、どういう意味があるのでしょうか?
鏡開きは、全国的には毎年1月11日に行われるようですが、2025年の日にちはいつで、地方によって違うのでしょうか?
そこで今回は、鏡開きに関して、以下のような点について調べてまとめましたので、ご覧ください。
目次
鏡開きとは?意味や由来
鏡開きとは、日本の伝統的な行事で、お正月に神や仏に供えた鏡餅を下ろして食べることを指します。
鏡開きには、お正月の神々への感謝の気持ちを示し、無病息災などを祈って行われ、また、鏡餅を食べることで、神様の力を分けてもらい、1年の良運を願うといった意味があります。
そして、鏡開きの語源は「開き」が「割る」の忌み言葉であることからきています。
この行事は、元々武家の風習であり、年神様に対して失礼といった理由から刃物を使うことを避けて、木槌などで鏡餅を叩いて割る方法が取られました。
この鏡餅は、神様(年神様)への神聖なお供え物とされており、神前に供えられた後、お下がりとして、その割られたお餅が振る舞われる習慣があります。
供えられていた鏡餅は、通常、乾燥しているため、それを木槌で叩いて割り、その後料理に使います。
しかし、鏡餅が十分に乾燥していないと、木槌で叩いてもなかなか割れないことがあるため、そんな時は、鏡餅を水に浸してから電子レンジで加熱し、手で割るという方法もあります。
一方、現代では、小分けされた餅をパック詰めした鏡餅が増えているため、鏡開きはパックを開くだけの簡単なものになっているという一面もあります。
そして、鏡開きの際には、開いた鏡餅を利用して、お雑煮、おしるこ、ぜんざい、きなこ餅、焼き餅などの伝統的な料理が作られます
鏡開きはいつ?2025年の日にち
2025年(令和7年)の鏡開きの日にちは、一般的には、1月11日(土)に行われます。
この1月11日という日にちは、毎年、多くの地域において定着している鏡開きが行われる日ですが、一部の地域では、この日が異なります。
特に関西地方では、年神様が滞在する期間である「松の内」を、2024年1月15日(水)までとする地域が多いため、その流れから、鏡開きの日は1月15日(水)としていることが多くなっています。
また、松の内から少し期間を置いて、2024年1月20日(月)に鏡開きを行う地域もあります。
さらに、京都の一部地域では、正月三が日を終えた後の2024年1月4日(土)に鏡開きを行うところもあったりします。
ただ、鏡開きの日は、同じ地方の中でも、地域によっては違う日程になっている場合もありますので、詳しく知りたい人は、近隣の神社や市区町村、町内会等に問い合わせるといいでしょう。
なお、鏡開きの具体的な時間帯に厳密な規定はありませんが、多くの場合、家族が集まりやすい朝から昼にかけて行われるのが一般的です。
鏡開きのやり方
鏡開きの正しいやり方には、いくつかの手順があります。
なお、鏡開きは、お正月に神棚などに飾られた鏡餅を下げて食べる行事で、1年間の無病息災を祈り、年神様の力を得ることが目的です。
それらの意味を踏まえた上で、鏡開きの一般的なやり方や注意点等について、まとめました。
鏡餅の準備と清掃
神様への感謝を込めながら、お正月の間飾っていた鏡餅を下げます。
鏡餅の表面についたチリやホコリを、濡れ布巾などで取り除きます。
鏡餅の割り方
鏡餅が十分に乾燥している場合は、木槌や金槌で叩き割ります。
叩く際に新聞紙などで包むと粉々になった欠片が散らばるのを防ぐことができます。
乾燥が足りない場合、水に数時間から半日浸して柔らかくしたり、耐熱容器に入れて電子レンジで加熱して柔らかくしてから、手でちぎります。
鏡開きで避けること
鏡餅は刃物で切ってはいけません。
切る行為は縁切りを連想させるため避けられています。
また、年神様が宿るとされる鏡餅に、刃物を向けることは大変失礼とされます。
鏡餅を残したり捨てたりすることも避けた方がいいでしょう。
真空パックの鏡餅の場合
真空パックや個包装された鏡餅の場合は、商品によって調理方法が異なるため、詳細を確認してから使うようにしましょう。
鏡餅の食べ方
開いた鏡餅は、お雑煮、おしるこ、ぜんざい、かき餅、グラタン、餅巾着、鍋料理などにアレンジして食べます。
詳しくは次章「鏡開きの後の餅のメニュー」をご覧ください。
鏡開きの後の餅のメニュー
鏡開きの後の餅を使ったメニューには、様々なバリエーションがあります。
ここではいくつかの人気メニューを簡単にご紹介します。
- お雑煮…餅を使ったお雑煮は、鏡開きに非常に一般的で、各地域の伝統的なお雑煮レシピに従って、餅を加えて楽しむことができます。
- おしるこ・ぜんざい…小豆を使用したおしるこやぜんざいも、餅を利用する定番の料理で、小豆には厄除けの効果があるとされています。
- かき餅…餅を食べやすい大きさに切り、160度の油で揚げて、塩や醤油をまぶして作ったかき餅は、特に子供たちに人気があります。
- 餅グラタン…餅はチーズとの相性が良く、オーブントースターで焼いた餅をグラタン皿に並べ、ベーコンやピーマンなどの具材を加えてホワイトソースとチーズをかけて焼くとおいしいです。
- 餅巾着…油揚げに餅を入れ、かんぴょうで結んで煮ると、煮汁がジュワッとおいしい煮物になります。
- 鍋料理…鍋料理に餅を加えると、淡白な餅が鍋の味を吸収しておいしくなり、和風の鍋だけでなく、キムチ鍋やトマト鍋、豆乳鍋など、様々な鍋に合います。
他にも「おもちでトッポギ風」「揚げ鏡餅のおろしがけ」「黒豆揚げ餅和え」「はちみつりんご餅」「ヤンニョム肉巻き」「鏡餅大福」「餅入りけんちん汁」など、さまざまなメニューがあります。
これらのメニューは、鏡開き後に残った餅を使い切るのに最適です。
餅のアレンジ方法は多岐にわたり、伝統的なものから新しいアイデアまで幅広く、さまざまな料理の中で餅を楽しむことができます。
鏡開きでおしるこを食べる理由
鏡開きでおしるこを食べる理由には、以下のような、いくつかの要素が関係しています。
まず、おしるこに使用される主成分である小豆は、古来から魔除けや邪気払いの力があるとされているため、鏡開きの際におしるこを食べることで、一年の無病息災を願う意味が込められています。
また、おしるこの調理法が、硬くなった鏡餅を使いやすくするのに適していて、特に、缶詰のあんこを活用した簡単なレシピは、忙しい現代でも手軽に作ることができます。
そして、日本の各地域には、おしるこの作り方に特色があり、例えば、関西地方のおしるこは、滑らかなペースト状の小豆が特徴的で、関東地方では小豆の粒感を重視するスタイルが一般的です。
こういった理由から、鏡開きにおしるこを食べる習慣は、魔除けの信仰、食べやすさ、地域の伝統などに基づいていると言えるでしょう。
また、おしるこを食べることは、家族の健康を願いながら楽しむことができる、重要な風習の一つです。
鏡開きとは?2025年はいつ?日にち・意味・やり方・メニュー|まとめ
今回は、鏡開きの意味や由来、2025年の鏡開きの日にち、やり方、メニューなどについてまとめました。
鏡開きとは、日本の伝統行事で、正月に供えた鏡餅を食べる風習のことです。
これは、神々への感謝と無病息災を祈る意味があり、鏡餅は神聖なお供え物とされ、神様の力を分けてもらうために食べられます。
鏡餅を割る際は刃物を避け、木槌などで割るのが伝統的なやり方で、食べ方には、お雑煮やおしるこなどの料理があげられます。
また、2025年(令和7年)の鏡開きは、一般的に、1月11日(土)に行われるところが多いですが、関西では、松の内の終わる1月15日(水)や1月20日(月)、京都の一部では、正月三が日明けの1月4日(土)に行う地域もあります。
鏡開きのやり方としては、鏡餅の準備の仕方や開き方(割り方)、避けるべき点などを考慮しながら行うといいでしょう。
開いた後の鏡餅のメニューとしては、お雑煮、おしるこ、ぜんざい、かき餅、餅グラタン、餅巾着、鍋料理などがあります。
割った鏡餅を使っておしるこを食べる理由には、小豆の魔除け効果と食べやすさ、地域の伝統などが挙げられます。